そもそも「関東三大イルミネーション」とは?認定の基準と定義

冬のデートやお出かけスポットを探していると必ず耳にする「関東三大イルミネーション」。
これは単に知名度が高い場所を適当に選んだものではなく、一般社団法人 夜景観光コンベンション・ビューローが認定した、夜景観光における権威あるブランドの一つです。
日本全国の「夜景」を観光資源として見直し、価値を高めることを目的に創設されました。
2012年に初めて認定され、その後2018年に再認定(更新)が行われています。
誰が、どのような基準で選んでいるのか
選定を行っているのは、全国6,000名以上(認定当時)の「夜景鑑賞士(夜景マイスター)」による投票です。
イルミネーションというと「LEDの電球数」ばかりが注目されがちですが、関東三大イルミネーションの選定基準は規模だけではありません。
専門家たちは、主に以下の点を総合的に評価して投票を行っています。
- 会場全体を活かした演出・照明技術の高さ
- オリジナリティあふれるストーリー性やエンターテインメント性
- スタッフの尽力や、地域への観光貢献度
つまり、ただ光っているだけでなく、「わざわざ足を運んで見る価値がある、質の高い光のエンターテインメント」としてプロのお墨付きを得た3箇所こそが、関東三大イルミネーションなのです。
【最新】現在の関東三大イルミネーションはこの3箇所!

2018年10月の「夜景サミット in 札幌」で行われた再認定により、現在は以下の3施設が関東三大イルミネーションとして定着しています。
それぞれのスポットが持つ唯一無二の魅力を見ていきましょう。
1. あしかがフラワーパーク「光の花の庭」【栃木県】

栃木県足利市にある「あしかがフラワーパーク」は、関東三大イルミネーションだけでなく、「日本三大イルミネーション」にも選ばれている日本屈指の名所です。
最大の特徴は、植物園ならではの「花」をテーマにした演出です。
特に、春の藤棚をLEDで再現した「奇跡の大藤」は圧巻の一言。花房の一つひとつが繊細な光で表現され、風に揺れる姿は本物の花以上の幻想的な世界を作り出します。
全国の夜景鑑賞士が選ぶ「イルミネーションアワード」のイルミネーション部門でも7年連続で全国1位を獲得するなど、その実力と人気は不動のものとなっています。
2. さがみ湖イルミリオン【神奈川県】

神奈川県相模原市のアウトドアリゾート「さがみ湖MORI MORI(旧:さがみ湖リゾート プレジャーフォレスト)」で開催されるイルミネーションです。
ここの魅力は、圧倒的なスケールと「体験型」の演出にあります。
関東最大級となる600万球のLEDを使用し、広大な山の傾斜を利用した光の絨毯は息をのむ美しさです。
ただ眺めるだけでなく、「虹のリフト」に乗って光の上を空中散歩したり、光るアトラクションに乗ったりと、体を使って楽しめるのが大きな特徴。ファミリーやアクティブなデートに最適なスポットです。
3. 江の島 湘南の宝石【神奈川県】

神奈川県藤沢市、江の島のシンボル「江の島シーキャンドル」を中心に行われる光の祭典です。
このスポットが他と大きく異なるのは、「美しい夜景」と「イルミネーション」が融合している点です。
夕暮れ時には相模湾の夕日と富士山のシルエットが浮かび上がり、日が落ちるとシーキャンドルから吊るされた光のヴェールが輝き出します。
数万個のクリスタルビーズがきらめく「湘南シャンデリア」のトンネルは、関東エリアでも屈指のロマンチックな空間として知られています。
関東三大イルミネーションは入れ替わった?歴代の変更点と過去のスポット

「関東三大イルミネーション」と検索すると、千葉県の「東京ドイツ村」を含めた情報を目にすることがあるかもしれません。
実は、このラインナップは2018年に一度だけ入れ替わり(更新)が発生しています。
ここでは、認定当初の歴史と、なぜラインナップが変わったのかという経緯について解説します。
2012年の認定当初のラインナップと「東京ドイツ村」
このブランドが誕生した2012年当初、初代「関東三大イルミネーション」として認定されたのは以下の3箇所でした。
- あしかがフラワーパーク(栃木県)
- さがみ湖イルミリオン(神奈川県)
- 東京ドイツ村(千葉県)
つまり、現在の「江の島」のポジションには、もともと「東京ドイツ村」が入っていました。
そのため、古いガイドブックや更新されていないWEB記事では、今でもドイツ村を含めて紹介しているケースが多々あります。
2018年の再認定で「江の島」が選ばれた背景
認定から6年が経過した2018年、イルミネーション業界の進化に合わせて再認定が行われました。
そこで新たに選ばれたのが、神奈川県の「江の島 湘南の宝石」です。
入れ替わりの大きな要因は、江の島が持つ「ロケーションの強さ」でした。
単なる電飾の美しさだけでなく、夕陽や夜景といった「地域固有の景観」とイルミネーションを見事に融合させた点が、プロの夜景鑑賞士たちから高く評価され、新たな三大イルミネーションの一角として迎えられたのです。
旧・三大イルミ「東京ドイツ村」も依然として大人気

「三大」からは外れてしまいましたが、千葉県袖ケ浦市にある「東京ドイツ村」のウインターイルミネーションのクオリティが下がったわけではありません。
現在でも「関東最大級の300万球」という圧倒的なスケールを誇り、広大な芝生広場に光で絵を描く「光の地上絵」は、他のスポットでは真似できない独自の世界観です。
あしかが、さがみ湖、江の島、そして東京ドイツ村。
実質的には、この4箇所が「関東のイルミネーション四天王」と言っても過言ではないほどの人気と実力を維持しています。
【一覧比較】開催期間・料金・アクセス情報のまとめ

「どこに行こうか迷ってしまう」という方のために、3つのスポットの基本情報を一覧表にまとめました。
それぞれ開催期間や料金体系が異なるため、お出かけ前に必ずチェックしておきましょう。
| スポット名 | 開催期間(目安) | 料金(大人) | 最寄りアクセス |
|---|---|---|---|
| あしかがフラワーパーク (栃木県) |
10月中旬~2月中旬 | 夜の部:1,400円前後 (※時期により変動) |
JR両毛線「あしかがフラワーパーク駅」徒歩3分 |
| さがみ湖イルミリオン (神奈川県) |
11月中旬~5月中旬 | 入場:2,000円前後 フリーパス:4,500円前後 |
中央道「相模湖東出口」より約7分 |
| 江の島 湘南の宝石 (神奈川県) |
11月下旬~2月下旬 | 苑内+タワー:1,100円前後 (※セット券の場合) |
小田急線「片瀬江の島駅」徒歩20分 |
※2025年11月時点の情報です。最新の正確な料金や点灯時間は各公式サイトをご確認ください。
結局どこに行くのがおすすめ?シーン別ナビゲート
それぞれの特徴を踏まえ、一緒に行く相手やシチュエーションに合わせて選んでみてください。
- ロマンチックなデートなら「あしかがフラワーパーク」
幻想的な藤棚や水鏡に映るイルミネーションはムード満点。駅の目の前というアクセスの良さも、冬の寒い日のデートには嬉しいポイントです。 - 家族や友人とわいわい楽しむなら「さがみ湖イルミリオン」
リフトに乗ったり、光の中で遊園地のアトラクションを楽しんだりと、子供から大人まで飽きずに過ごせます。期間がGW付近までと長いのも特徴です。 - 観光やグルメもセットにするなら「江の島」
昼間は江の島観光や海鮮グルメを楽しみ、夕暮れのサンセットから夜のイルミネーションへと移り変わる時間を過ごす、贅沢な日帰り旅行プランが組めます。
間違えやすい?「日本三大イルミネーション」との違い

「関東三大」と似た言葉で、「日本三大イルミネーション」というブランド認定も存在します。
どちらも同じ「夜景観光コンベンション・ビューロー」が認定しているため混同されがちですが、選出されているエリアやスポットが異なります。
日本三大イルミネーションの場所と特徴
2017年に発表された「日本三大イルミネーション」は、以下の3箇所です。
全国規模で選ばれているため、スケールや歴史も桁違いのスポットが名を連ねています。
- あしかがフラワーパーク「光の花の庭」(栃木県)
- ハウステンボス「光の王国」(長崎県)
- さっぽろホワイトイルミネーション(北海道)
あしかがフラワーパークは「二冠」を達成している
リストを見てお気づきの通り、「あしかがフラワーパーク」だけが、関東三大と日本三大の両方に選ばれています。
北海道の「さっぽろ」は日本のイルミネーションの元祖と言われる歴史があり、長崎の「ハウステンボス」は世界最大級の1,300万球という圧倒的物量を誇ります。
これらと肩を並べるあしかがフラワーパークは、まさに名実ともに日本トップクラスのイルミネーションと言えるでしょう。
「関東三大」を制覇したら、次は長崎や北海道へ足を伸ばして「日本三大」の完全制覇を目指すのも、冬の旅の楽しみ方の一つです。
まとめ:関東三大イルミネーションを制覇して冬の絶景を楽しもう

今回は、冬の夜を彩る「関東三大イルミネーション」について、認定の基準や歴代の変遷を含めて解説しました。
改めて、現在の認定スポットをおさらいしましょう。
- 日本唯一の二冠達成、光と花の競演「あしかがフラワーパーク」
- 圧倒的スケールと体験型アトラクション「さがみ湖イルミリオン」
- 夜景とイルミが融合した湘南の宝石「江の島」
かつて三大イルミネーションの一角だった「東京ドイツ村」から「江の島」へとラインナップが変わった背景には、単なる電球の数だけでなく、「その土地ならではの景観」や「独自の世界観」がより重視されるようになったという時代の変化があります。
どのスポットも、写真や画面越しに見るだけでは伝わらない感動が必ずあります。
今年の冬はぜひ大切な人と一緒に、世界に誇れる関東の光の絶景を体感しに行ってみてください。