冬の旅行先選びでよく耳にする「日本三大イルミネーション」。
「毎年変わるの?」「どこが認定されているの?」と疑問に思う方も多いのではないでしょうか。
実は、この名称は単なるその年のランキングではなく、「夜景観光コンベンション・ビューロー」によって認定された特別なブランドです。
この記事では、認定されている3つのスポットの詳細と、よく混同される「イルミネーションアワード(ランキング)」の歴代結果との違いについて詳しく解説します。
【決定版】現在の「日本三大イルミネーション」はこの3箇所!
2017年10月、一般社団法人夜景観光コンベンション・ビューローによって開催された「夜景サミット」において、全国5,542名の夜景鑑賞士による投票を経て認定されたのが以下の3施設です。
これらは単に綺麗というだけでなく、「世界に誇れる日本の光の文化」として認められた最高峰のスポットです。
1. ハウステンボス「光の王国」【長崎県】

長崎県佐世保市にある「ハウステンボス」は、単独のテーマパークとしては世界最大級の約1,300万球という規格外のスケールを誇ります。
ここの凄さは、圧倒的な物量と最先端技術の融合です。
場内には広大な運河が光で埋め尽くされたり、宮殿が3Dプロジェクションマッピングで彩られたりと、一日では回りきれないほどの「光の街」が出現します。
通年でイルミネーションを楽しめる点も特徴で、日本のイルミネーション業界を牽引する「絶対王者」的な存在と言えます。
2. あしかがフラワーパーク「光の花の庭」【栃木県】

栃木県足利市にある、花と光のテーマパークです。
このスポットの最大の特徴は、「花」をテーマにした芸術性の高さにあります。
春に見頃を迎える「藤」を光で再現した「奇跡の大藤」や、水面に光が映り込む演出は、他では見られない幻想的な風景です。
その美しさは海外でも高く評価されており、アメリカCNNが選ぶ「世界の夢の旅行先10選」に、日本から唯一選出された実績も持っています。
電球の数だけでなく、「心に響くストーリー性」で選ばれた名所です。
3. さっぽろホワイトイルミネーション【北海道】

北海道札幌市の大通公園を中心に開催される、冬の風物詩です。
1981年に日本で最初のイルミネーションとして始まり、「日本のイルミネーションの元祖」としての歴史的価値が高く評価されています。
このスポットの最大の武器は、北海道ならではの「雪」とのコラボレーションです。
降り積もった真っ白な雪がレフ板の役割を果たし、光が乱反射することで、他の地域では絶対に真似できない輝きを放ちます。
都市の夜景と雪、そして光が一体となった、北国ならではの美しい景観が楽しめます。
「日本三大」は入れ替わる?歴代の順位やアワードとの違い

「日本三大イルミネーション」について検索していると、「1位が入れ替わった」「歴代の順位」といった情報が出てきて混乱してしまうことがあります。
結論から言うと、これは「固定されたブランド称号」と「毎年発表されるランキング」が混同されているためです。
ここでは、その違いと歴代の傾向について整理します。
「日本三大イルミネーション」は固定の称号
先ほど紹介した「ハウステンボス」「あしかがフラワーパーク」「さっぽろホワイトイルミネーション」の3箇所は、2017年の認定以降、原則として固定されたブランドです。
これらは単年の人気投票ではなく、「日本を代表する文化的価値がある」と認められたレジェンド的な存在であるため、毎年コロコロと入れ替わるものではありません。
毎年順位が変わるのは「イルミネーションアワード」
一方で、順位が変動する「歴代の結果」として検索される情報の正体は、毎年11月頃に発表される「イルミネーションアワード」の結果です。
これは全国6,000名以上の夜景鑑賞士(プロ)が、「実際に行って良かった」と思うスポットに投票して決めるランキングです。
このアワードには「プロフェッショナルパフォーマンス部門」や「イルミネーション部門」などがあり、毎年激しい順位争いが繰り広げられています。
アワードの歴代結果から見る「真の実力派」
参考までに、近年の「イルミネーションアワード」で常に上位にランクインしている、実力派スポットの傾向を紹介します。
- あしかがフラワーパーク(栃木県)
イルミネーション部門で7年連続全国1位を獲得(2016〜2022年)。圧倒的な強さを誇ります。 - ハウステンボス(長崎県)
総合エンタテインメント部門などで10年連続1位を獲得するなど、部門を変えて常にトップに君臨しています。 - 伊豆ぐらんぱる公園(静岡県)
近年、この「2強」に割って入る勢いで上位を獲得しているのがここです。体験型イルミネーションとして評価が急上昇しています。
つまり、「日本三大」に入っているスポットは、毎年のランキング(アワード)でも常に上位をキープし続けるだけの実力を持っているということがわかります。
【一覧比較】開催期間とアクセス情報のまとめ

日本三大イルミネーションは全国に点在しているため、気軽なハシゴは難しいのが現実です。
それぞれの開催時期やアクセス方法を比較し、どのスポットが自分の旅行プランに合うか検討してみましょう。
| スポット名 | 開催期間(例年の目安) | アクセス・最寄り |
|---|---|---|
| さっぽろホワイトイルミネーション (北海道札幌市) |
11月下旬~3月中旬 ※大通会場は12/25まで |
JR「札幌駅」周辺 地下鉄「大通駅」すぐ |
| あしかがフラワーパーク (栃木県足利市) |
10月中旬~2月中旬 | JR両毛線 「あしかがフラワーパーク駅」徒歩3分 |
| ハウステンボス (長崎県佐世保市) |
通年開催 (冬の「白銀の世界」等は~2月下旬) |
長崎空港からバス約50分 JR「ハウステンボス駅」徒歩5分 |
※開催期間は年度によって多少前後します。航空券やホテルの予約前に必ず公式サイトで最新スケジュールをご確認ください。
旅行計画を立てる際のポイント
3つのスポットは、楽しみ方や滞在時間が大きく異なります。
- 札幌:
市街地中心部で開催されるため、「札幌観光やグルメの合間に立ち寄る」という気軽な楽しみ方が可能です。雪祭り期間(2月)と合わせるのもおすすめですが、メインの大通会場はクリスマスで終わることが多いため注意が必要です。 - あしかが:
都心から電車や車で日帰り圏内です。「夕方から入園して夜まで楽しむ」という半日プランが一般的。周辺の佐野アウトレットなどと組み合わせると充実します。 - ハウステンボス:
敷地が広大なため、「パーク内のホテルに宿泊して楽しむ」のがベストです。夜遅くまでイルミネーションを満喫し、そのままホテルで休める贅沢なリゾートステイが体験できます。
まとめ:まずは「日本三大」の3つから攻めるのがおすすめ

日本全国には数多くのイルミネーションスポットが存在し、その技術や演出は年々進化しています。
しかし、どこに行くべきか迷ったときは、まず間違いのないクオリティと感動を約束してくれる「日本三大イルミネーション」のいずれかを選んでみてはいかがでしょうか。
最後に、それぞれのスポットが「どんな人におすすめか」をまとめておきます。
- さっぽろホワイトイルミネーション:「雪と光の幻想的な景色が見たい」という方におすすめ。冬の北海道ならではのロマンチックな街歩きが楽しめます。
- あしかがフラワーパーク:「芸術的な美しさと感動を味わいたい」という方におすすめ。花と光が織りなす繊細な世界観は、大人のデートにも最適です。
- ハウステンボス:「非日常の世界にどっぷり浸かりたい」という方におすすめ。海外旅行に来たかのような圧倒的なスケール感で、朝から夜まで遊び尽くせます。
歴代のランキングで常に上位を走り続けるこれらのスポットは、一度訪れればその理由が必ず分かるはずです。
今年の冬はぜひ、日本最高峰の光の絶景を体感しに出かけてみてください。